途絶えさせてはいけないものがある葛楽(からく) 大島たまよさん
年に一度、葛布作品の展示会を行っている4人組がいます。その名も葛楽。大島たまよさんはその中心的な存在です。(2011年10月13日号掲載)

大学で考古学を専攻し、卒業旅行で訪れたインドに2年滞在。帰国後は東京で貿易関係の仕事を行い、その後結婚。実家のある磐田に戻ってからは発掘の仕事も。袋井市役所非常勤職員。家族は夫と猫3匹。磐田市在住。45歳。
年に一度、葛布作品の展示会を行っている4人組がいます。その名も葛楽。大島たまよさんはその中心的な存在です。「大切な伝統技術はなくしちゃいけない」と、仕事や家事の合間を縫うように作業に熱中。今年の作品展は10月21〜23日の3日間、磐田市の鈴木家(上大之郷314)で開催します。
葛との出会いは2000年。「面白そう」と葛布づくりの体験教室に参加したのが始まりです。「そこら辺に生えている葛を見分けて採るところから教わりました。ゆでて、蒸して、川で洗ってという工程がメインで、完成した糸を織って作品にする作業は全体の2%ぐらい。でも、野生の葛があんなにきれいな布に生まれ変わるなんて想像できませんでした。それですっかりはまってしまって(笑)」
もともと手仕事が好きな大島さん、一からの作業に魅力を感じ、ついには織機も購入。「手間がかかるけど昔の人たちがやってきたこと。掛川で300軒もあった葛布職人の家が今は数軒。風前の灯なんです。だから今のうちに学んで、伝えていくことができたら」と願います。

そんな大島さんの原点は大学の卒業旅行で訪れたインド。偶然サールナートで出会った日蓮宗の上人の手伝いに立候補し、2年ほど寺住まいをしたのです。「自分で食べる物を作り、着る物も着る分だけ自分で作る暮らし。“生きる”ってこういうことだと実感しました」。考古学を専攻していた大島さんは古代人の暮らしに関心があり、葛布に興味を抱いたのも自然なことでした。古き良き物を受け継ぎ伝えたいという思いとともに「自分でやるなら自分が必要な分だけ。これからも、自分の中で納まるように生きていくことを大切にしたい」と話します。













