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夏休みは伝説を楽しもう遠州七不思議の旅へ【前編】

今年は国民読書年。夏休みは親子で読書を楽しむプチ旅行に出てみませんか。今号から2回にわたり、地元に伝わる伝説「遠州七不思議」を取り上げます。第1回は東遠地区に伝わる物語です。(2010年8月5日号掲載)

まずは読もう 地元に残る七つの物語

遠州七不思議は、静岡県の遠州地方に伝わる七つの不思議な物語のこと。実際にはいろいろな説があり、10を超える物語が存在します。そこで、図書館で見つけた絵本「遠州七不思議」に沿って伝説の地を訪ねてみることにしました。

この本で取り上げている話は次の七つです。

  • ◆三度栗
  • ◆小夜の中山夜泣き石
  • ◆波の音
  • ◆無間(むげん)の鐘
  • ◆片葉の葦
  • ◆桜ヶ池のお櫃納め
  • ◆京丸ぼたん

今回は「三度栗」「夜泣き石」「無間の鐘」「桜ヶ池」を紹介。物語を読んでから家族で足を運んでみて。

「遠州七不思議」玲風書房 石野茂子/文、田中清/画 撮影協力/浜松市立中央図書館

御前崎桜ヶ池「お櫃納め」 大蛇に姿を変えた名僧

あらすじ

御前崎市にある県立自然公園「桜ヶ池」。この池の主は大蛇で、比叡山きっての名僧とうたわれた阿闍梨皇円(あじゃりこうえん)の化身といわれています。不死の大蛇に姿を変えたのは、56億7千万年のちに弥勒菩薩がこの世に現れると経典で知り、ぜひ会って教えを請いたいと思ったから。師を訪ねた弟子たちは、大蛇となった師の悩みを聞き…。

訪ねてみたよ

静かに広がる神聖な池は、夕暮れ時に眺めると一層心安らぎます。隣には池宮神社もあり、一帯が厳かな雰囲気。秋の彼岸中日には赤飯を池に沈める奇祭「お櫃納め」が行われています。また、菊川にある応声教院(右下参照)に大蛇のうろこが納められています。

菊川応声教院「三度栗」 年に三度実がなる木

あらすじ

弘法大師が菊川市を訪れたときのこと。おなかがすいた大師さまは子どもたちが食べている栗を分けてほしいと頼みます。大事な栗を分けてもらった大師さまは…。

訪ねてみたよ

三度実がなるといわれる三度栗。実際は花が三度咲きますが「一番栗は食べられる、二番栗はこんぺいとうぐらいの大きさ、三番栗は花だけ」と同院の方が教えてくれました。長年親しまれてきた木は枯れてしまい、今は愛染殿裏の林に2本育っています。

掛川小夜の中山「夜泣石」 母性愛は石をも泣かす

あらすじ

中山峠で山賊に切られた妊婦。おなかの切り口から赤ん坊が生まれたため、妊婦は近くの大きな丸い石に「どうかこの子を助けて」と祈って息絶えます。石が泣いたおかげで久延寺の和尚に見つけられた赤ん坊。音八と名づけられ、峠の茶屋の水飴(あめ)で育てらました。やがて刃物の研ぎ師になるため大阪に行った音八は、ある人物に出会い…。

訪ねてみたよ

旧東海道沿いに一里塚、小夜の中山公園、西行歌碑などが並びます。この道はハイキングルートになっているそうです。物語にも出てくる久延寺境内にも夜泣き石がありますが、これは供養のために置かれた石とのこと。妊婦が祈ったといわれる石は、県道に戻り小夜の中山トンネルを抜けてすぐの所にある小泉屋の裏山にあります。

掛川粟ヶ岳「無間の鐘」 平和を祈ったはずが

あらすじ

粟ヶ岳(無間山)のふもとに住む仙人が小さな釣り鐘を作り、頂上の古い松の枝につるして平和への願いを込めました。この鐘は「無間の鐘」と呼ばれ、村人はその音色を聞くたびに心が安らぐ日々が続きます。しかし、あるうわさが人々を駆り立てた結果、地獄へ落ちる鐘と呼ばれるようになり…。

訪ねてみたよ

山頂までの道は狭くカーブが多いため運転が大変です。「ハイキングコースを選んだほうがよかった?」と思いましたが、実際に歩いてきたご夫婦はかなりお疲れモード。山頂の阿波々(あわわ)神社社殿横に無間の鐘を埋めたといわれる小さな井戸跡があります。阿波々の森は巨木や巨石が特徴。眺望も楽しめます。

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