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読む楽しみはこれからも本の未来を考えよう

デジタル技術が発達し、本との向き合い方は多様化しています。これから私たちはどのようにして本と向き合っていけばいいのでしょうか。書店、図書館、そして電子書籍の今とこれからを探りました。

書店思いがけない出合いを作る

インターネットで読みたい本がいつでも買える時代。それに伴い、書店の役割も変わりつつあります。谷島屋の専務取締役・斉藤晋一郎さんは「今までは幅広い品ぞろえでお客様のさまざまな要望に応えるのが役目でした。今後はそれを踏まえつつ、書店ごとに独自の色を出していく必要があるでしょう」と話します。

本を実際に手に取り、厚さや紙の質感、装丁デザインなどを考慮に入れた上で買えるのが書店の強み。 加えて、人々が読んでみたいと思えるような本を推薦していく「提案力」が鍵を握ると斉藤さんは言います。 「本を置けるスペースは限られているので、何を置くかが大事になります。『あの本屋に行けば何か面白い本が見つかる』と思っていただけるような本屋が理想ですね」

書店は新たな本と思いがけない出合いがある場。いかにしてその場を作り上げるかが、これからの書店に求められることなのかもしれません。

図書館地域の多様なニーズに応える

気になる本は買う前にまず図書館でチェックをするという人も多いのでは。図書館は旬のベストセラーから今はもう手に入らない絶版本までそろい、市民のさまざまなニーズに応えてくれる施設です。浜松市中央図書館サービスグループ長の田中由未子さんは「人々の知る権利を保障するのが図書館の役目。小説や絵本はもちろん、郷土関係の資料も多くそろうのが特徴ですね」と話します。

地域の文化の担い手として、国民読書年だった昨年からは、浜松市の図書館全館でスタッフが推薦する書籍の展示を実施。また、ブックスタートや読み聞かせなどのイベントを通じて、子どもたちに読書の楽しさを伝えていく活動も行っています。

1月には蔵書の半分が児童書という流通元町図書館もオープン。「小さいうちに読書習慣を付けて、本を読むことの楽しさを知ってほしい。今後もそのきっかけ作りを行っていきたいですね」と田中さんは語ります。

電子書籍デジタルデータで手軽に読書を

本を一冊まるごとデジタルデータ化した「電子書籍」が注目を浴びています。書籍のデータをインターネットで購入し、専用の端末に保存することでいくつもの書籍を読むことが可能。「欲しい本を探す手間が省けるほか、軽量で持ち運びも簡単。文字を拡大できるので高齢者にも優しいですね」とノジマららぽーと磐田店の寺田卓矢さんは説明します。

現在販売中の代表的な電子書籍端末はソニーの「リーダー」とシャープの「ガラパゴス」。リーダーは最大1400冊のデータが保存でき、紙に印刷したインクの質感をデジタル技術で表現。パネルの質感も紙のさわり心地に近づけるという徹底ぶりです。ガラパゴスは液晶パネルでカラー表示が可能なため、雑誌などビジュアルを重視した書籍を読むのに好適。音楽や映像など、書籍以外にもさまざまなコンテンツを楽しめます。

どちらもタッチパネルで直感的に操作できるのが特徴。紙の本にはない手軽さが最大の売りになりそうです。

連載後記

本・活字を読む面白さ」を1年間探ってきたシリーズ「読む」、いかがでしたか。読書から地元のことを知ったり、地域の人々にお薦めの本を紹介していただいたり。取材を通じて実感したのは、読書から生まれる人とのつながり、そして自分と向き合うことの大切さでした。一冊の本が問い掛けるメッセージを受け止め、自分ならどう応えるか考える。豊かな人生を実現するヒントは、そんな”本との対話“の中から生まれるのではないかと強く思った1年でした。

編集室 鈴木淳博

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