健康

女性のための漢方講座「便秘」編

(2018年1月18日号掲載)

なぜ?冬になると便秘が多い。

腸が冷えて動きが鈍る
玉嶋貞宏 院長
玉嶋血液内科
漢方診療所

玉嶋貞宏 院長
1958年、兵庫県生まれ。浜松医科大学卒。共立湖西総合病院、聖隷浜松病院を経て2012年に開業。日本血液学会認定血液専門医・日本東洋医学会認定漢方専門医
浜松市中区住吉1-24-1NTT住吉ビル4F
TEL.053-412-0100

前回は冷えによる「下痢」についてお話ししました。今回は冬の「便秘」について考えてみましょう。

冬にお腹が冷えて下痢をしてしまう......これはなんとなく分かりますね。ですが、寒い時季に便秘をするという人は少なくありません。漢方的には、寒邪(かんじゃ)がお腹に入り込み、腸を冷やすことで腸の正常の働きが低下し、便を押し出す働きが鈍ることで起こると考えます。

また、冷えにより正常な腸の動きが妨げられ、腸の異常な収縮が起こることもあります。そうなるとおなかが張り、腹痛が起こります。ガスが腸に溜まることで、おなかが張る場合もあります。

このタイプの患者によく使う漢方薬は、大建中湯(だいけんちゅうとう)です。この薬にはおなかを温める働きのある乾姜(かんきょう)、山椒(さんしょう)が入っています。これらの薬で腸の冷えを取り除き、便を押し出す働きを活性化させるのです。

大建中湯は、漢方薬の中でも最も使われているものの一つです。東洋医学のみならず、西洋医学の現場でも使われています。腸の手術後にはしばしば投与されます。

冬の腸の不調はどのような症状であっても、根本的な原因として「冷え」を常に考える必要があります。有効なのは腹巻を使うことです。ただし、おなかだけを温めれば良いわけでもありません。腹巻をしながら素足というのでは困ります。脚が冷えるとおなかが冷えやすくなるのです。

夏でも冬でも、スーパーマーケットの生鮮食品売り場などには寒邪が潜んでいます。寒邪はもともと冷えているところを狙ってきます。おなかが冷えている人は注意しましょう。また、自分のおなかの冷えに気づいていない人も多くいます。日常生活の中にある「冷え」を意識して、なるべく避けるようにすることが大切です。